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研究会開催の背景 
ALMA望遠鏡は稼働から10年ほど経過し、ミリ波帯受信機を用いた観測的研究は飛躍的に進歩しています。
星形成および星間現象の分野においては太陽系近傍を中心としてマゼラン雲などの低金属銀河など
様々な環境においてこれまでにない分解能で分子雲の物理・化学的性質が明らかにされています。
ALMA Band 8/9/10受信機で観測可能なサブミリ波帯には、分子雲の形成/進化等を探ることが期待される中性炭素原子輝線や、
星形成直前直後の超高密度領域の性質を探る上で有用と考えられる重水素化合物輝線などユニークなトレーサーが存在しています。
しかしながら、気象条件から観測が困難であり、および観測提案の基盤となるデータが十分に得られていないことも相まって、
ミリ波帯の研究と比べて一歩遅れていると言わざる得ません。ALMA Cycle 8からはBand 9/10受信機は7m arrayのみを
用いた観測が新たに実行可能となるため、分解能は劣るもののこれら高周波数帯を観測できる機会を大幅に増加させることが期待できます。
そこで本研究会では現在国内で行われているALMA高周波バンド(Band 8/9/10)の星形成/星間現象に関わる研究について俯瞰し、
今後の観測戦略について関連するコミニティで議論する機会を設けたいと考えております。

​研究会の構成について

冒頭に坂井南美 氏 (理化学研究所)に、当該周波数を用いた星形成研究に関してレビュー講演(40分程度)を行っていただく予定です。
当日はALMA Cycle 8のcapability も簡単におさらいいたします。
講演時間20-30分の一般講演枠を広く募集いたします(講演時間は申込数に応じで前後しますが予めご了承ください)。
講演時間外の議論も活発にするため、Slackを活用する予定です。

(2/8追記)
ASTE望遠鏡の高周波数バンド(ALMA Band 10相当)でデモサイエンスとして取得され、
今後公開予定のOrion KL周辺8'x4'エリアのCO(7-6)輝線および10'x8'エリアの[CI](2-1)輝線の観測データに関して
同望遠鏡チームによりご紹介いただけることになりました。
議論セッションではこれらのデータのALMAプロポーザルへの活用も含めて活発に討論できればと思います。

世話人
徳田一起 (大阪府立大学/NAOJ), 西合一矢 (NAOJ), 泉奈都子 (ASIAA), 立原研悟 (名古屋大学), 古家健次 (NAOJ)

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